桜島一周のしおり
桜島爆発記念碑
やっぱり桜島爆発記念碑と言えばこれでしょ。他にも同じような碑はいくつかあるのですが。東桜島小学校の敷地内にあります。ブランコの奥です。「理論ニ信頼セズ」との記述から科学不信の碑などと言われますが、科学を完全に否定するものではないと思います。あっ、見学される際は職員室に一言お声掛けくださいね。
まず碑文の内容から。東桜島小生は全員暗記するんですよ。
1文目…大正3年の爆発は安永8年以来の大惨禍であり、8つの集落が全滅し140人の死傷者を出した。
2文目…爆発の数日前から地震や海岸における熱湯の湧沸など異常現象が続いていたため東桜島村長が測候所(現:鹿児島地方気象台)に数回尋ねたが噴火はしないと答えた。
3文目…村長は避難する必要はないと言ったが、間もなく大爆発した。測候所を信頼した知識階級の人はかえって被害に遭い、村長らも海を泳いで逃げるしかなかった。本島の爆発は歴史に照らすと当然のことで、必ず起こることから逃れることはできない。
4文目…住民は情報に惑わされず、異変を感じたらすぐに避難の用意をすることが最も大事で、日頃から心構えをしておかなければならない。
5文目…ここにこの碑を建てて記念とする。 大正十三年 東桜島村
話題になっているのは4文目の部分です。原文はこうです。
「住民ハ理論ニ信頼セズ、異変ヲ認知スル時ハ、未然ニ避難ノ用意、尤(もっと)モ肝要トシ、平素勤倹産(きんけんさん)ヲ治メ、何時(いつ)変災ニ値(あう)モ、路頭(ろと)ニ迷ハザル覚悟ナカルベカラズ。」
当然、これは測候所が誤った判断をしたという当時の事実を受けて書かれているものです。ですが実際、測候所を信頼しないで独断で避難する島民も大勢いました。そんな人は助かったのです。ではなぜ彼らは避難したのかというと、明らかに様子がおかしかったからです。だからここに書かれているのは科学がどういった判断をしたにせよ、異変を感じたらすぐに避難をすることが最も大事であり、日頃からそういった危険と隣り合わせだということを意識して生活しようということです。科学も大事だけれど、ということですね。