桜島一周のしおり
黒神ビュースポット
申し訳程度に展望台があります。昭和火口が正面に見えます。噴火の時は迫力があり、特に夜間には赤く染まった噴石や火映現象、火山雷も見られます。しかし、2017年頃から噴火は主に南岳山頂火口からになり、昭和火口はほとんど活動しなくなってしまいました。
桜島が現在のように頻繁に噴火をするようになったのは1950年代後半からのことです。その頃の噴火は南岳山頂火口からです。今より規模が大きく、人の居住エリアまで巨大な噴石が飛ぶ、上空を飛行していた飛行機の窓ガラスにひびが入る、ドカ灰による電車の踏切の誤作動などの被害もあったそうです。ですがそれまで年間数百回ほどで推移してきた噴火回数は2004年頃には年間数回まで減少しました。
そして2006年から南岳山頂火口に代わって昭和火口が活動を始めます。年々噴火回数を増やし、2011年には最多となる996回を数えることになります。当時小学生だった筆者も毎日火山灰に苦しんだ記憶があります。しかし2015年後半から急減すると2017年は年間13回まで減りました。近年は南岳山頂火口の活動再開により再び噴火回数は年間数百回まで増加していますが、昭和火口は0回です。個人的にではありますが、確かに南岳山頂火口からの噴火の方が1回の噴火の規模が大きいと思います。空振も激しいですし。空振というのは噴火による衝撃波です。地震の時のように窓がガタガタと揺れます。昔は空振によって窓が割れることもあったとか。まあ、火口のサイズが違うんですよね。
黒神ビュースポットから山側の一帯は地獄河原と呼ばれています。付近の黒神川は上流に大量の火山灰や噴石(土石流予備軍)がたまっているため、大規模な土石流が発生する可能性があります。
※注:ここで「噴火」と書いているのは全て「爆発的噴火」のことです。爆発的噴火というのは爆発音、基準以上の空振、噴石の飛散を伴う噴火のことです。簡単に言うと噴火の中でも規模の大きなものということです。桜島では小さなものまで全ての噴火を記録するのは難しいのです。